アンカー
あんかー
アンカーとは、ディフェンスラインの前方に位置し、守備の要として機能する守備的ミッドフィールダーを指すサッカー用語である。船の錨(アンカー)のように、チームを安定させる役割からこの名前が付けられた。主に4-3-3や4-1-4-1などのフォーメーションで単独のポジションとして配置され、中盤の最後方で守備の第一線を形成する。相手の攻撃を早期に潰し、ディフェンスラインへの負担を軽減する役割を担う。ボール奪取能力、ポジショニング、戦術理解度が極めて重要であり、攻撃時にはディフェンスラインからボールを受け取り、攻撃の起点となるパスを供給する。クロード・マケレレがチェルシーで見せたプレースタイルが典型例とされ、「マケレレ・ロール」として知られる。セルヒオ・ブスケツ、カゼミーロ、エンゴロ・カンテなどが現代を代表するアンカーである。統計的には目立たない役割だが、チームの守備バランスと攻撃の安定性に不可欠な存在である。近年では、ボール保持能力とパス精度も求められ、単なる守備専門ではなく、攻守両面で高い能力が要求されるポジションとなっている。