サッカー用語辞典

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ゾーンディフェンス

ぞーんでぃふぇんす

ゾーンディフェンスとは、各守備選手が特定のエリア(ゾーン)を担当し、そのエリアに侵入してきた相手選手を守備する戦術である。マンツーマンディフェンスとは対照的に、選手個人ではなくスペースを守ることを優先する。この戦術の利点は、守備陣形を保ちやすく、カバーリングがしやすいこと、選手の体力消耗を抑えられることである。一方で、ゾーンの境界線や選手間の受け渡しの瞬間に隙が生じやすいという弱点もある。現代サッカーでは、完全なゾーンディフェンスは少なく、マンツーマンの要素を組み合わせた「ミックスディフェンス」が主流となっている。イタリアサッカーでは伝統的にゾーンディフェンスが好まれ、特に1990年代のACミランがアリゴ・サッキ監督の下で洗練されたゾーンディフェンスを実践し、大きな成功を収めた。ゾーンディフェンスを機能させるには、選手間のコミュニケーション、ラインコントロールゾーン間の受け渡しのタイミングが重要である。また、オフサイドトラップとの相性が良く、組み合わせることで効果的な守備を構築できる。