オフサイドトラップ
おふさいどとらっぷ
オフサイドトラップとは、守備ラインを一斉に前進させることで、相手の攻撃選手をオフサイドポジションに置き、攻撃を無効化する守備戦術である。この戦術を成功させるには、最終ラインの選手全員が同じタイミングで前に出る必要があり、一人でも遅れるとオフサイドトラップは失敗し、相手に決定的なチャンスを与えてしまう。効果的なオフサイドトラップには、選手間の完璧な連携、副審のオフサイド判定への信頼、相手の動きを見極める判断力が必要である。歴史的には、1980年代から90年代のACミランが、アリゴ・サッキ監督の下で高度なオフサイドトラップを駆使し、多くの成功を収めた。オフサイドトラップは、ゾーンディフェンスやハイラインと組み合わせることで効果を発揮する。また、守備ラインを高く保つことで、相手の攻撃スペースを圧縮し、中盤でのボール奪取を容易にする効果もある。しかし、2022年のVAR導入とオフサイドルールの厳格化により、わずかなタイミングのズレも見逃されなくなり、オフサイドトラップのリスクは以前より高くなっている。現代サッカーでは、完全なオフサイドトラップよりも、ラインコントロールの一環として使用されることが多い。