多機能選手
たきのうせんしゅ
多機能選手とは、サッカーにおいて複数のポジションや役割を高いレベルでこなせる選手を指し、ユーティリティプレーヤーとも呼ばれる。単に複数ポジションができるだけでなく、各ポジションで求められる異なるスキルセットや戦術理解を兼ね備えていることが特徴である。例えば、フィリップ・ラーム(元ドイツ代表)は、右サイドバックと守備的ミッドフィールダーの両方で世界最高レベルのプレーを見せ、チームに多様な戦術オプションを提供した。ジョシュア・キミッヒ(バイエルン・ミュンヘン)も同様に、サイドバックと中盤の複数ポジションをこなす多機能選手である。多機能選手は、チームにとって戦術的な柔軟性を高める重要な存在であり、怪我人が出た際の補填や試合中の戦術変更において重宝される。監督は限られたベンチ枠の中で、多機能選手を含めることで様々な状況に対応できるスカッドを構成できる。また、攻撃と守備の両方で貢献できる「二刀流」的な選手も多機能選手に含まれる。ただし、すべてのポジションで平均的なパフォーマンスしか発揮できない選手よりも、2〜3のポジションで高いレベルを維持できる選手の方が価値が高い。現代サッカーの戦術進化により、多機能選手の需要は年々高まっている。