サッカー用語辞典

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無回転シュート

むかいてんしゅーと

無回転シュートは、ボールにほとんど回転をかけずに蹴るシュート技術である。ボールが空中で不規則に変化する軌道を描くため、ゴールキーパーにとって非常に対処が難しい。物理的には、回転のないボールは空気抵抗の影響を不均等に受け、予測不可能な揺れや急激な落下を見せる。この現象は「ナックル効果」や「無回転効果」と呼ばれる。代表的な選手として、本田圭佑、クリスティアーノ・ロナウド、ガレス・ベイルなどが挙げられる。蹴り方のコツは、ボールの中心を足の甲でしっかりと捉え、インパクトの瞬間に足を止めるようにして、フォロースルーを最小限にすることである。練習では特殊なボールや特定の空気圧で行うこともある。フリーキックや遠距離シュートで特に効果的で、壁を越えた後の予測不能な軌道変化がゴールキーパーの反応を遅らせる。ただし、技術習得には相当な練習が必要で、気象条件(風向き、湿度)にも影響を受けやすい。近年では、ボールの製造技術の進化により、従来よりも無回転効果が出やすいモデルも開発されている。戦術的には、セットプレーからの得点機会を増やす重要な武器となっている。