サッカー用語辞典

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コンパクトネス

こんぱくとねす

コンパクトネス(Compactness)は、チーム全体の縦と横の距離を詰めて、密集した陣形を保つ守備戦術の概念である。最終ラインフォワードの間の距離を短く保つことで、相手がボールを保持してプレーできるスペースを限定し、組織的な守備を可能にする。理想的には、チーム全体が30-35メートル四方のエリア内に収まるように配置される。コンパクトな陣形により、パスコースの遮断、プレスの効率化、ボール奪取後の速やかなカウンターアタックが可能になる。イタリアやスペインの戦術理論では特に重視される概念であり、「ゾーンディフェンス」と密接に関連している。守備時には、ディフェンスラインを高く保ち、中盤とフォワードが後ろに下がりすぎないようにコーチングすることで実現される。逆に間延びした陣形では、ライン間に大きなスペースが生まれ、相手に攻撃の起点を与えてしまう。ただし、コンパクトすぎると、サイドのスペースディフェンスラインの裏を突かれるリスクもある。現代サッカーでは、ボールの位置に応じてコンパクトネスを保ちながら横にスライドする「スライド守備」が一般的である。守備の基本原則の一つとして、あらゆるレベルで重要視されている。