バックパス
ばっくぱす
バックパスは、後方の味方選手に向けて出すパスのことである。攻撃の流れを一度落ち着かせ、相手のプレスをかわして安全にボールを保持する目的で使われる。また、「バックパス」という用語は、競技規則における特定の反則を指すこともある。1992年に導入されたルールでは、味方選手が意図的に足でゴールキーパーにパスしたボールを、ゴールキーパーが手で扱うことが禁止されている(バックパス・ルール)。この場合、相手チームに間接フリーキックが与えられる。このルールは、ゴールキーパーへのバックパスによる時間稼ぎや消極的なプレーを防ぐために制定された。ただし、頭、胸、膝などでのパスであれば、ゴールキーパーは手で扱うことができる。また、意図的でないプレー(ディフレクションやクリアランスの失敗など)も除外される。戦術的には、バックパスはポゼッションサッカーの重要な要素であり、ビルドアップの起点を作るために頻繁に使用される。しかし、自陣深い位置でのバックパスはリスクも伴い、相手のハイプレスに対して慎重な判断が求められる。現代サッカーでは、ゴールキーパーの足元の技術向上により、バックパスを受けてからの配球も重要なプレーとなっている。