フリック
ふりっく
フリックとは、ボールを軽く弾くようにして方向を変えたり、味方にパスを送ったりする技術である。主に頭や足の先を使い、小さな動作で素早くボールを処理することを指す。特にヘディングの際、ボールを大きく跳ね返すのではなく、軽く触れて方向を変える「フリックオン」という技術は、攻撃の起点として重要な役割を果たす。ロングボールやクロスに対して、前線の選手が後方から走り込む味方にフリックでボールを落とすことで、守備陣の意表を突くことができる。この技術は繊細なタッチと正確なタイミングが求められ、高度な技術力を持つ選手の武器となる。歴史的にはピーター・クラウチやディディエ・ドログバなど、長身のターゲットマンが得意とする技術として知られている。現代サッカーでは、空中戦だけでなく、足元でのフリックパスも多用され、狭いスペースでの素早い攻撃展開に活用されている。