サッカー用語辞典

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ハイライン

はいらいん

ハイラインとは、ディフェンスラインを高い位置、つまりハーフウェーラインに近い位置まで押し上げる守備戦術を指すサッカー用語である。相手陣地の深い位置でディフェンスラインを形成することで、ピッチを縦に圧縮し、中盤と前線の選手がプレッシングをかけやすくする効果がある。ハイラインを採用するチームは、ボール保持率が高く、攻撃的なサッカーを展開する傾向がある。リバプールやマンチェスター・シティなど、現代の強豪クラブが採用する代表的な戦術である。ハイラインの利点は、相手をオフサイドトラップに引っ掛けやすいこと、攻撃時に前線との距離が近く素早い攻撃参加が可能なこと、相手の活動スペースを制限できることなどである。一方で、ディフェンスラインの背後に広大なスペースが生まれるため、相手のスピードのあるフォワードによるカウンター攻撃に脆弱というリスクがある。このため、ハイラインを成功させるには、ディフェンダーのスピード、オフサイドトラップの連携、スイーパーキーパーによるカバーリングが不可欠である。戦術的に高度な理解と実行力が求められる、現代サッカーを象徴する守備戦術である。