フローティングシュート
ふろーてぃんぐしゅーと
フローティングシュートとは、無回転または微回転でボールを蹴ることにより、空中で不規則に揺れながら飛んでいくシュートのことである。ボールが空気抵抗によって予測不可能な軌道を描くため、ゴールキーパーにとって非常に取りにくいシュートとなる。この技術は、ボールの中心を強くインパクトし、フォロースルーを抑えることで無回転に近い状態を作り出す。特にフリーキックで多用され、ボールが「落ちる」「伸びる」「曲がる」といった変化をするため、壁を越えた後にゴールキーパーを翻弄する。2000年代以降、本田圭佑、クリスティアーノ・ロナウド、ガレス・ベイルなどがこの技術を駆使して数々のゴールを決めている。特に本田は日本代表時代にこの技術で重要なゴールを量産した。フローティングシュートは、現代のボールの性能向上も影響しており、表面が滑らかなボールほど無回転での変化が大きくなる。技術的には高度な精度が求められ、蹴る位置、力加減、インパクトの瞬間の足首の固定など、細かな要素が成功を左右する。距離が遠いほど変化が大きくなるため、20メートル以上の距離からのフリーキックで特に効果的である。