サッカー用語辞典

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マンマーク

まんまーく

マンマークとは、特定の相手選手に対して専任の守備者を割り当て、その選手の動きを徹底的に封じる守備戦術を指すサッカー用語である。「人に付く守備」とも呼ばれ、ゾーンディフェンスの対義語である。マークされた選手は常に守備者の監視下に置かれ、ボールを受け取る自由を奪われる。特に相手チームの主力選手やエースストライカーに対してマンマークを配置することで、相手の攻撃力を削ぐ戦術的効果がある。イタリアのカテナチオと呼ばれる守備戦術では、リベロとマンマーカーを組み合わせた堅固な守備ラインが構築された。ディエゴ・マラドーナやリオネル・メッシなど、歴史的な名選手は常に厳しいマンマークに晒されてきた。しかし、マンマークにはリスクもあり、マークする選手が相手の動きに引きずられてポジションを崩すと、チーム全体の守備バランスが崩れる。また、体力消耗も激しく、90分間維持することは困難である。現代サッカーでは、ゾーンディフェンスが主流となったが、セットプレーや特定の局面ではマンマークが依然として有効な戦術として使用されている。