リベロ

りべろ

イタリア語で「自由な者」を意味し、守備陣の最後方に位置して自由に動き回る役割を担うポジション。1960年代にイタリアで生まれた戦術概念で、伝統的な守備システムに革命をもたらした。リベロは特定のマークを持たず、ディフェンスラインの背後をカバーしながら、状況に応じて前線への攻撃参加も行う。このポジションには高い戦術理解力、優れた読みの能力、そして正確なパス技術が求められる。歴史的名手としてはフランツ・ベッケンバウアー、フランコ・バレージ、マティアス・ザマーなどが知られる。1990年代のオフサイドルール改正やバックパスルールの導入により、伝統的なリベロシステムは減少したが、現代サッカーにおいても最終ラインからゲームを組み立てる「ボールプレーイングディフェンダー」という形でその思想は継承されている。スリーバックシステムの中央に位置する選手がリベロ的な役割を担うこともある。