アーリークロス
あーりーくろす
アーリークロスとは、サイドから中央へボールを送る際、通常よりも早いタイミングで、つまりペナルティエリアに到達する前やゴールラインに近づく前に上げるクロスのことである。相手ディフェンスが完全に守備態勢を整える前にクロスを供給することで、守備側の混乱を誘い、攻撃側に有利な状況を作り出すことができる。アーリークロスは、相手が引いた守備をしている場合や、ペナルティエリア内が密集している場合に特に有効である。この戦術は1990年代から2000年代にかけて、イングランドプレミアリーグを中心に発展し、デビッド・ベッカムやスティーブン・ジェラードなどの選手が高精度のアーリークロスでアシストを量産した。現代サッカーでは、ウイングバックやサイドハーフが素早くサイドを駆け上がり、相手が対応する前にアーリークロスを供給する戦術が多用されている。成功のカギは、クロスの精度と、中央で走り込む選手とのタイミングの一致である。