サッカー用語辞典

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ワンツーパス

わんつーぱす

ワンツーパスは、サッカーにおいて2人の選手が素早く連続してパス交換を行い、相手ディフェンスを突破する攻撃的なコンビネーションプレーである。別名「壁パス」とも呼ばれ、英語では「one-two」または「give-and-go」と表現される。この技術の基本的な流れは、攻撃側の選手Aがディフェンダーの前で味方選手Bにパスを出し(1回目のパス)、選手Aがディフェンダーの脇を走り抜けながら、選手Bから即座にリターンパスを受ける(2回目のパス)というものである。選手Bは壁のようにボールを跳ね返す役割を果たすため「壁パス」と呼ばれる。ワンツーパスの効果は、ディフェンダーがボールを追っている間に攻撃側選手がスペースに走り込むことで数的優位や位置的優位を作り出せる点にある。成功させるには、パスの精度、タイミング、そして走り出すスピードと方向が重要である。特に、リターンパスを受ける選手はオフサイドにならないように注意しながら走り出す必要がある。バルセロナやスペイン代表などポゼッションサッカーを志向するチームは、狭いスペースワンツーパスを多用して相手守備を崩す。歴史的には、1970年代のオランダ代表「トータルフットボール」において頻繁に使われ、現代サッカーの戦術的基礎となっている。ワンツーパスは、個人技に頼らずチームワークで守備を崩す美しいプレーとして評価されている。