サッカー用語辞典

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誤審防止

ごしんぼうし

誤審防止とは、サッカーの試合において審判の判定ミスを減らし、公正な試合運営を実現するための取り組み全般を指す。従来、審判の目視による判定のみに頼っていたサッカーでは、誤審が試合結果を左右する問題が長年存在していた。この問題に対処するため、2010年代以降、様々なテクノロジーが導入されている。最も重要なのは2018年のワールドカップから本格導入されたVARビデオ・アシスタント・レフェリーシステムであり、ゴールペナルティキックレッドカード、人違いの4つの重要な場面について、ビデオ映像で判定を見直すことができる。また、ゴールラインテクノロジー(GLT)は、ボールがゴールラインを完全に越えたかを瞬時に判定し、誤審を防ぐ。2022年のワールドカップからは半自動オフサイド判定技術(SAOT)も導入され、オフサイドの判定精度が大幅に向上した。これらのテクノロジーは、明白な誤審を減らすことに成功している一方で、判定に時間がかかることや試合の流れが中断されることへの批判もある。また、どこまで技術に頼るべきかという哲学的な議論も続いている。誤審防止の取り組みは、サッカーの公正性を高めると同時に、人間の判断と技術のバランスという新たな課題も生み出している。